健康になるための食事の知識
健康になるための食事の知識
血管が破れて出血する頭蓋内出血と、血管がつまって脳組織が一部死んでしまう脳梗塞をひっくるめて脳卒中といっています。頭蓋内出血には脳実質内に出血した脳出血と、脳の周囲にあるくも膜下腔に出血したくも膜下出血があります。脳梗塞には脳血栓と脳塞栓があり、前者は脳の動脈が動脈硬化によって閉塞してしまうものです。後者は血のかたまり(血栓)が脳に流れこんできて血管をふさいでしまうものがあります。
脳出血は、高血圧と関連性が高く、とくに最小血圧の高い人は脳卒中になることが多くなります。
脳卒中の危険性を高めるのは、糖尿病です。
糖尿病でかつ高血圧の人は、脳卒中になる率が6倍にはね上がります。痛風は血液および組織中の尿酸の量が増える病気で、これも脳卒中のリスクを高くします。脳卒中患者の多くは尿酸値が高値です。
医師は、脳卒中の症状を目や目の周囲を見て判断します。
脳卒中の危険が高まっているかどうかを知るテストの1つに、目の血流を調べるものがあります。目に栄養を送っている血管の血流量を測るものと、眼球の表面の血流の方向を調べるものの2つが一般に採用されています。
脳梗塞を発病した人がリハビリにあたって心がけなくてはならない食事は、魚を食べる習慣をつけることと、甘いものを減らすことです。
脳梗塞はしばしば片まひや言語障害をもたらしますが、そのリハビリのために臨床栄養学の医師が指導するのは、動物性脂肪をほとんどゼロにする食事です。つまり、肉と乳製品を排除します。そして、血液中の脂質量が正常域に安定するまで砂糖と甘いものを減減らさせます。一方、魚は好きなだけ食べさせます。魚のなかでもとくに、EPA を豊富にふくんでいる鮭などがよく、それもできるだけ加熱しないで食べることが望まれます。
とくに重要な栄養素はマグネシウムで、アメリカの臨床栄養学の医師は、血液中のマグネシウム値を注意深く見ながら食事指導を行います。脳梗塞を起こした人には多くの場合、深刻なマグネシウムの欠乏がみられるからです。ということはつまり、マグネシウムを不足させる食事は脳卒中のリスクを高める食事ということです。
それにしてもマグネシウム源となるのはごく日常的な食品です。精製していない穀類と豆類と、野菜と魚を食べていれば不足しないはずの栄養素です。しかし、どのくらい多くの人がそれを不足させているか。アメリでは、調査結果は次のように発表しています。ティーンエイジャーの女性はとくに不足が顕著で、野菜や豆や魚といった食品にいかに背を向けているかを示しています。そして、ティーンエイジャーだけでなく、多くの人の食事がそういうものになってきています。
これはアメリカの数字だが、われわれの食事もそれほど違いはありません。試しに今日なり昨日なりに食べた外食の内容を思い出してください。それにどれだけの豆類、緑色野菜、精製していない穀類がふくまれていたか。おそらく合計しても何グラムにもならないはずです。
現代人の外食に依存する度合いはますます高まっていますが、いまのわが国の外食の内容では依存度が高まれば高まるほど、この栄養素が不足してくるでしょう。
マグネシウムは精製していない穀類には多くふくまれているのですが、精製の過程で失われてしまいます。野菜も煮つづけると、2二分の1から4分の3のマグネシウムが煮汁のなかに溶け出してしまいます。緑色野菜は水なしで蒸したり、油を使わずに妙めたり、高温短時間で湯がくことです。
なお、妙めるというのは油を使って加熱することですから、油を使わずに妙めるというのは矛盾しています。ステンレスの多層構造鍋を使うと従来の妙めるプロセスとほぼ同じやり方で野菜を油なしで加熱することができます。
知って得する知識