悪い食事が日常的になってしまうのは

食物繊維とは、かんたんにいうと食品の消化できない成分のことである。消化できないのだから食べても吸収されないが、腸を通過する間に、さまざまなよい働きをしてくれます。現代人にとっては第6の栄養素とも言われ不足が懸念されています。

自分のオナラが臭いと思う人(食物繊維)では食物繊維が足りているかどうかのチェックができます。

消化できないのは人間の消化酵素ではこわすことができないからで、そういう成分はいろいろあります。植物の細胞壁を構成しているセルロースやヘミセルロースやリグニン。また、植物の細胞内にふくまれているペクチン質、ガム質、粘質物などの多糖類です。

繊維と呼んでいるために誰しもセロリの筋のようなものをイメージしますが、筋ではなく分子レベルの微小な物質です。

かにの甲羅や、えびの殻の主成分であるキチンという高分子物質も消化吸収されずに排泄されるが、腸を通過する間にやはり有益な働きをしてくれるので、これも最近では食物繊維の仲間に加えられるようになりました。

うつ、不眠、パニック、更年期障害にも有効な水溶性低分子キトサン「ヌーススピリッツ」の使用感はキトサンを使っています。

また、同様の働きをする人工合成の多糖類もつくられていて、それも食物繊維と呼ばれています。だから厳密には、食物繊維とは食品中の消化ができない高分子成分というのが正しいのでしょう。

ところで、この食物繊維と経済の成長のあいだには密接な関係のあることがわかっています。どういう関係かというと、国内総生産が増えると、それに反比例して食物繊維の摂取量が減ってくるのです。これは世界の85カ国の統計が示している事実で、国境も民族もなく、経済的に豊かになると食物繊維がだんだんとられなくなります。食物繊維を欠落させる食事のパターンに変わっていくからです。

わが国でも経済大国となった今日では、昔の人の何分の1しか食物繊維をとっていないのですが、それが便秘をはじめとしてさまざまな健康上の問題をひき起こしています。

おかげで食物繊維を補うための飲みものがベストセラー商品になっているくらいですが、食物繊維を不足させる食事は非常に悪い食事と解釈していいでしょう。問題は経済的に豊かになると、誰もがその悪い食事をとるようになり、誰もがとっているのだから別に悪くないはずだと思いこんでしまうことです。そして悪い食事が「普通の食事」「当たり前の食事」になってしまう点は大きな問題です。

現代人は、食物繊維を摂る量が圧倒的に少ないのです。それは、腸ストレスの影響と解消方法にも書かれているとおり、排便量が減り、大腸ガンが増えるという状況になっています。

経済的に豊かになると、なぜ食物繊維が不足してくるのかというと、精製したり加工したりした食品を多くとるようになるからです。

食物繊維源となる主要な食品は穀類と豆類だが、まず豆をあまり食べなくなります。穀類のなかで食物繊維が集中的にふくまれているのは外層の部分、つまりヌカやフスマに当たる部分ですが、精白してその部分をとり去ってしまいます。

それでは食物繊維の摂取量は微々たるものになるのは当たり前です。わが国ではほとんどの人が白米と真っ白いパンを食べて、いまなおその低繊維食の方向につき進んでいるのですが、欧米では10年くらい前から様子が変わってきています。

食物繊維の必要性が認識されて、小麦全粒粉のパンがつくられるよぅになり、たいていの店で消費者は、白いパンか全粒粉のパンか、好きに選択できるようになっています。

食物繊維には大きく分けて水溶性のものと水に溶けないものの不溶性の2つがあり、オート(オーツ麦) にとくに多くふくまれている水溶性の食物繊維に、コレステロール値を下げる働きのあることがわかってからは、オートの消費も伸びています。

現在では生産が需要に追いつかない状況で、とくにオーガニック(無化学肥料無農薬生産) のオートは大変な品薄です。それだけよい食事に向おうとする人が増えているということでもあります。

食物繊維と乳酸菌が腸のはたらきを良くするというのは今も昔も変わらないということでもあります。

健康になるための食事の知識

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