乳製品はどれが一番からだにいいのか?

牛乳は大変優れた食品です。牛乳には良質のタンパク質とカルシウムが豊富である上に、CPP(カルシウムホスホペプチド) と呼ばれるカルシウムの吸収を促進する牛乳特有のペプチドが含まれています。
ペプチドというのはタンパク質がある程度分解したもので、タンパク質を構成しているアミノ酸が2個以上結合したものです。CPP は多くのアミノ酸が結合したペプチドです。
「CPP」の「C」はカルシウム、「P」はリン酸、そして、もう1つの「P」はペプチドであることから分かるように、ペプチドだけでなく、カルシウムやリン酸塩も結合しています。
しかし、日本人には牛乳に弱い人もかなり多くいます。これは遺伝的なもので、どうすることもできません。どうして牛乳が駄目なのかというと、そういう人には牛乳特有の糖分であるラクトースを分解消化する酵素が少ないか、ほとんどないからです。
乳児の頃は、ラクトース分解酵素の強力なものが自然に消化器内に存在しています。しかし、離乳した後に、しだいにテクトース消化酵素は減少します。
そして大人になると、タクトース消化曲野乗がなくなってしまうので、牛乳のラクトースをほとんど消化やきなくなってしまうのです。その結果、消化されない車まのラクトースが腹に送り込まれ、腸は、未消化の糖分に対して、非常に敏感に反応することになります。そしてしばしば、下痢や、お腹がゴロゴロするような症状が起きてしまうのです。
では、ラクトース消化酵素がまったくない人は牛乳の素晴らしい力を絶対に利用できないのかというと、必ずしもそうではありません。というのは、牛乳からラクトースさえ分解してなくすることができればよいのです。会合ラクトースをなくす方法の1つは、牛乳を乳酸菌により乳酸発酵させ、ラクトースを乳酸に変化させてしまうことです。牛乳を乳酸贋酵させたものであるヨーグルトは、ラクトトス以外の成分は牛乳とほとんど同じなので、栄養価も牛乳と同じです。
しかも、ヨーグルトには、牛乳にはない乳酸菌といった整腸作用にプラスになる菌が含まれており、さらに、乳酸菌によって生の牛乳の3~4倍のビタミンB2が生産されているのです。会合なお、最近は「飲むヨーグルト」といったものも販売されていますが、飲むヨーグルトがどれも甘いのは、砕いてモロモロになったヨーグルトの細かい固まりが沈むのを防ぐためです。
糖分は、溶けたものが固まったり沈殿したりするのを防ぎ、液を均一の状態に保つ安定剤的な働きをしています。したがって、飲むヨーグルトの糖分は欠かすことのできない成分で、甘い味を避けることはできません。
しかし、牛乳をまったく飲めない人には大きなプラスがあるのですから、このような加工食品も上手に利用すべきでしょう。
ところで、同じく牛乳を発酵させてつくるチーズも、栄養的に大変優れた食品です。牛乳に凝集酵素を加えて、豆腐のように固め、これに食塩と乳酸菌を加えてよく練り上げ、固まりにして発酵させたものです。発酵にはかなりの期間を必要としますが、チーズの種類によってその期間は異なります。
長く発酵させたものほど固いチーズになります。チーズを多量に食べると体が暖かくなるだけでなく、一般に血圧も上昇すします。これは、牛乳やヨーグルトにはないチラミンの働きによるものです。このため、昔からチーズを食べると鼻血が出るとか、のぼせたりするとか、いわれました。
ヨーグルトを食べても、チーズのように体が暖かくなることはあまりありません。また、同じチーズでも、牛乳を凝集させただけのカッテージチーズはチラミンが生成されていないから、体が暖かくなることはありません。このように、チーズはタンパク質、脂肪、ビタミンA 、B2臥、カルシウムなどに富み、牛乳のエキスを固めたような高栄養食品で、しかも乳酸を含んでいるため、積極的に取り入れたいところですが、血圧の高い人はあまり多食しない方がよいでしょう。
また、コレステロールも高いので、コレステロールの多い食品を制限されている人は、ヨーグルトを食べるほうがいいでしょう。

健康になるための食事の知識

知って得する知識

ページの先頭へ