脳の発育に欠かせないDHAはどの魚に多い?

最近、DHA(ドコサヘキサエン酸) が注目を集めています。ダイエット時にも必要な油の種類だと言われています。
最新の日本人の栄養所要量の中 でも、妊婦、授乳婦は意識してDHAをとるように推奨されています。これはDHA の摂取が少 ないと、胎児や幼児の脳の発育に影響する可能性があるためです。つまり、DHAは胎児や幼 児の脳の発育を促す役割をもっているということがわかってきたのです。
しかし、子どもがある程度成長して、受験勉強をする頃になってあわててDHAを多く含 む食品を食べたからといって、急に頭がよくなるわけではないのです。脳が形成されるときこそDHAが重要な働きをするのです。
また、DHAは老化を防止する重要な働きもあります。高齢になるとボケやすい性質を もつネズミを使った実験があります。年をとったネズミの一方の群れには、植物油に多い脂肪酸であるリノール酸を3ヶ月間食べさせ、もう一方の群れには、魚の脂肪分に多い脂肪酸のDHAを同じく3ヶ月間間食べさせて、知能の程度を調べました。
この実験のしくみは、カゴの中にもう1つカゴを入れ、その中にネズミの飼料を入れる。外側のカゴには、まる1日絶食させ、極度の空腹にしておいたネズミを入れます。ネズミはエサを見て食べようとするのですが、そこには仕掛けがあります。
それは、ランプが点灯している数秒間に所定のペダルを踏むとエサが出てくるものです。
つまり、ネズミはこのランプとペダルの関連を学習しなければ、エサを取り出すことができない仕組みです。 さて、空腹の状態で実験のカゴに入れられたネズミはどのように行動したのでしょうか?会合その結果は、リノール酸を与えられたネズミはこのしくみが判断できず、最後までエサを取り出すことができませんでした。つまり、ボケが進行したのです。これに対して、DHA を与えられたネズミは、間もなくランプが点灯している間にペダルを踏むことによってエサが取り出せることを覚え、空腹を満たすことができました。
つまり、DHAを与えられたネズミはボケなかったのに対し、リノール酸を与えられたネズミはあきらかに老化が進んでいることが分かりました。
このようにDHAには、老化を抑制する働きが見られます。そこで、年齢が高くなるにしたがって、意識してDHA を多く含む魚を十分とることが必要といえるでしょう。魚はどのような魚でもDHAが多いのですが、脂肪の一成分であるから、脂肪の多い魚ほどDH A の含有量も多いということです。
脂肪分が少ない白身魚にももちろんDHAは十分ありますが、脂肪が多い赤身魚のマグロのトロの方がDHAは豊富です。

関連情報:
血栓の予防にEPA・DHA | 100種類のサプリメントの効能と効果

食材のパワー

知って得する知識

ページの先頭へ