長い魚を食べると風邪をひかない

夏パテ解消には土用丑の日に鰻を食べるとよいというのは昔から言われています。もともとは、、江戸時代に平賀源内が、鰻屋が夏に売上げが少なくて因っているのを見て、夏の滋養強壮に鰻がよいと宣伝したということですが、おそらく経験的にも夏パテ対策には鰻がよいということが知られていたものと思われます。その理由は、鰻をはじめとして、長い魚にはビタミンAが非常に豊富だからです。夏は緑の野菜が少なくなるので、ビタミンAの供給源が減少します。
夏に大量に収穫できるキュウリは見かけは緑色ですが、中は白く、ビタミンAは少量しか含まれません。
ビタミンAの摂取が少なくなると、粘膜の抵抗力が低下し、風邪などをひくと治りにくくなります。
したがって、粘膜に抵抗力を与えるとともに、風邪などに対して防御的に働くビタミンAの多い鰻などは、滋養強壮にもってこいの食品といえるでしょう。鰻は今や養殖が主力を占めていて、味は天然ものにかなわないといわれますが、ビタミンAに関しては天然ものより養殖の方が多く含まれています。これはおそらく餌に入っているビタミンAが鰻の体に移行した結果でしょう。
しかし、一方、ドジョウ、アナゴ、ヤツメウナギ、ハモ、タチウオなどは、天然ものが主力であるにもかかわらず、いずれもビタミンAがたくさん含まれます。これはどういうわけか分かりません。
ハモは京料理で有名ですが、祇園祭が行なわれる夏のさなかが旬です。京都でハモ料理が食べられるようになったのは、しぶとい魚なので、大阪から京都に運んでも、まだ生きているというところが喜ばれたものと考えられています。しかも「鱧」という字は、魚に豊と書きます。非常に豊かであるということでしょう。
京都のような海から遠い地域では、夏の時季のビタミンA補給によい食品として、いろいろ食べ方を工夫してきたのでしょう。
ところで、ビタミンAは、体の中での不飽和脂肪酸の酸化によるトラブルを防止するのにも大きな働きのあることが確認されました。しかし、ビタミンAは意外と十分にはとられていないようです。他にビタミンAの多い食品としてはレバーやニンジンといったものがありますが、これらは、どちらかというと好まない人が多いのでうなづけます。しかも、ヨーロッパなどでは牛乳がたくさん飲まれるのでビタミンAのよい供給源になっていますが、日本では牛乳に弱い人が多く、どうしても、ビタミンAは不足しがちになります。

食材のパワー

知って得する知識

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