アレルギーにNGな油はサラダ油?コマ油?

「アレルギーとは、わけがわからないという意味です。つまり、アレルギー性の疾患というのは、原因不明の疾患と言い換えることができます。しかし、喘息やアレルギー性湿疹などの原因として、リノール酸が大きな原因となっていることが近年わかってきました。
リノール酸は、サラダ油などをはじめとして植物油に多く含まれています。摂取されたリノール酸は体内において変化し、肉を多量に食べたときと同じような働きをします。
ところで、牛肉や鶏肉などの肉類にはアラキドン酸という脂肪酸がかなり多く含まれています。アラキドン酸は肉特有の脂肪酸であって、これがもとで血液中でできるプロスタグランジンは、血管を収縮させ、また、同時に気管なども収縮させます。さらに、体液の皮膚への浸透を書同めるといった作用をもっています。
そのため、アラキドン酸をとりすぎると、喘息の発作や皮膚のアトピー性の湿疹がでやすくなります。
だが、アラキドン酸は牛肉や鶏肉に多いからといって、それをまったく食べなければ大丈夫というわけではありません。
先にも述べたように、植物性のサラダ油などに含まれるリノール酸を多食した場合でも、肉類を多量に食べたときとまったく同じ結果となります。その理由は、人間は動物なので、体の中に入った植物系の脂肪酸は、動物系のアラキドン酸に変化していくからです。その結果、肉類をまったく食べなくても、その分、リノール酸を多くとれば、肉類を多量に食べたのと同じ結果になるということが分かってきたのである。だから、リノール酸を多く含むサラダ油で揚げたてんぶらを多量に食べたり、あるいは、毎日の食事でリノール酸の多い油を使用したりすれば、当然ではあるが、アレルギー性疾患は悪い方向へすすみます。
」一方、魚の脂肪の中に含まれているDHAは、血管の収縮を緩和し、また、アレルギー性の皮膚炎を緩和する方向へ働きます。本サイトでも脳脳の発育に欠かせない食材として紹介しています。そこで魚を食べた方がよいわけですが、魚が嫌いな人であっても心配いりません。植物油の中にもDHAと同じ系列の脂肪酸を含むものがあるからです。
それはシソ油とかエゴマ油の脂肪酸です。ちなみにエゴマ油は、ゴマ油と名前は似ているが、シソ科植物からとれるものです。これらはアルファ・リノレン酸とよばれるもので、DHAのような魚の脂肪酸と同じく、n-3 の系列に属するものです。
これは、リノール酸などのn- 6 系とは異なるもので、これらは体の中でお互いに変換することができない。n-3系の脂肪酸は体内に入ると、最終的にはDHAに変化し、D HAとしての働きをします。
よくアレルギー性疾患にシソ油がよいといわれるのは、こういった理由によるものです。
ただし、シソ油はかなり高価です。魚を食べることで十分目的を達することができるのだから、経済的には魚からとる方が賢いでしょう。会合最後に、アレルギー性疾患がある場合の油のについてですが、アレルギーには、リノール酸の多い油の摂取を控えることが大切だということですが、リノール酸の多い油としては、ペニバナ油、大豆油、コーン油、綿実油といったものがあります。一方、とってよい油としては、先にあげたシソ油、エゴマ油以外に、リノール酸が少なく、オレイン酸などの安定した脂肪酸を多くもつ油として、オリーブ油、菜種油、ゴマ油、米ぬか油があり、さらにべニバナ油の一種ではありますが、例外的に、高オレイン酸、あるいはハイオレイックの表示のあるペニバナ油があります。油を購入するときはじっくり選びましょう。

関連情報:
油を味方にする | 太らない食習慣

食材のパワー

知って得する知識

ページの先頭へ