投薬治療とは異なる栄養療法
脳の栄養不足には栄養療法
投薬治療とは異なる栄養療法
脳の栄養不足には栄養療法
投薬療法とは決定的に異なる
身体(脳)の栄養状態を調べ、不足している栄養素を見きわめ、それを補うことでうつを始めとする精神疾患を改善していこうとする栄養療法は、一般におこなわれている投薬による治療法とは決定的に違異なります。
では、なぜ、栄養療法はうつ症状に有効なのでしょうか。簡単にメカニズムを説明するとこうなります。
たとえば、「やる気がない」といううつ症状を訴えているケースです。その原因のひとつとされるのは、脳のなかでセロトニンという神経伝達物質が不足していることです。
脳の神経細胞はシナプスという部分を介して、信号を伝達しています。シナプスにはシナプス小胞と呼ばれるブドウの房のようなものがあって、そこにセロトニンなどの神経伝達物質がたくさん詰まっています。
やる気がない状態になると、「やる気を出さなければいけない」という電気信号が伝わり、シナプス小胞からセロトニンが放出されます。放出されたセロトニンは次の細胞のシナプスでキャッチされ、その繰り返しによって信号は次々に伝わり、やる気が出てくるのです。
放出されたセロトニンは受容体に結合し、情報を伝達したのちに受容体からはずされて、再吸収されてシナプス小胞に蓄えられることになります。
セロトニンが不足していると、このメカニズムが充分に働かないため、やる気が起こらない状態が続きます。そこで、一般の治療ではSSRIという薬を使って、再吸収をブロックし、シナプス間のセロトニンの濃度を高め、信号伝達をスムーズにおこなわせようとします。結果として、「やる気がない」といううつ症状は改善されるのですが、セロトニンが再吸収されないのだから、シナプス小胞のセロトニンの量はどんどん減っていくことになります。
SSRIを使っているうちに、効きが悪くなり、量を増やしたり、種類を変えたりしなければならなくなります。
栄養療法の考え方はまったく異なります。セロトニンの材料となる栄養素、たとえば、アミノ酸や鉄、亜鉛、ビタミン恥などを身体に取り入れることによって、セロトニンそのものを増やすのです。だから、一般の治療とは逆の現象が起きる。薬の効きがよくなり、スムーズに量を減らすことができるのです。
栄養療法が広く普及すれば、抗うつ剤などによる副作用の悩みも解消すると思いますが、残念ながら、現在のところは圧倒的に亜流の位置に置かれている状態です。精神疾患の治療にこれを活かしている医師はは、まだまだ数えるほどしかいないのが現状です。認知までの道のりは、依然、険しいのです。