症状からうつ病を診断すると

投薬治療が現在のメイン

投薬治療でなかなか効果がでない人も

うつの場合、身体にあらわれる症状としては、疲労、頭痛、倦怠感、頭が重い、めまい、吐き気、口の渇き、便秘、下痢などがありますが、医師はうつの診断を下します。

患者さんは、「最近、眠れなくて、夢もよく見るんです。気分も沈みっばなしで、なにもする気になら なくなってしまって…」といった症状を訴えます。その後、医療マニュアルと照らし合わせてうつかどうかの判定をするという流れになります。

まず、どんな治療がおこなわれるか、ちょっと想像してみましょう。「なにが原因か探ろうとするはずだから、当然カウンセリングということになるのでは」と思うかもしれません。

ころが、心療内科の医師も、精神科のドクターも、綿密なカウンセリングをおこなう、カウンセリングを主体に治療を考える、というケースはきわめて少ないのが現実です。投薬を主体にした治療が圧倒的に主流です。

理由はカウンセリングのトレーニングを積んだ医師やカウンセラーの不足です。本来なら、職場の環境や仕事上での人間関係、家庭環境などを詳しく聞くなかで、どういう過程を経てその症状が起きているのかを見きわめるべきでしょう。薬を使うにしても、うつの原因となっている環境や関係をどうやって改善していくかということに重きを置くのが、本来の治療というものです。これでは血圧が高いから(塩分の多いものを食べている)と降圧剤を服用しているのと同じです。

しかし、そのスキルが不足しているのです。だから、投薬治療をするしかない。風邪をひいて医師にかかれば、熱がある場合には解熱剤が、咳が止まらなければ咳止めが処方される。出ている症状を抑える対症療法だが、なんと、それと同じことがうつの治療でもおこなわれているのです。つまり、眠れなければ睡眠薬を、気分の落ち込みがひどければ抗うつ剤を…というのが、いまのうつ治療の実情です。

ただし、「心の風邪」といわれるうつでも、ほんとうの風邪とは違います。風邪は治ってしまえばもう薬は必要なくなるのですが、うつの治療薬には依存性があります。そこで飲み続けることになるわけだが、長く飲んでいるうちにだんだん効かなくなり、量を増やさなければならなくなったり、種類を変える必要が出てきたりするのです。

また、調子がよくなつても、「薬をやめるのが怖い、やめられない」ということになり がちです薬を減らしたりやめてしまえば、また元に戻ってしまうと思い、不安になってしまうのです。こ

問題はもうひとつあります。たとえば、職場での人間関係が原因でうつ症状になり、治療のためにしばらく職場を離れるというケースがあります。この場合、環境を変えたことで、うつの主原因は取り除かれたはずだから、症状も改善するはずです。しかし、思うように症状がよくならない、ということが多々あるのです。

この事実は、なにを意味しているのでしょうか。これまで環境の問題が大きいと考えられていたうつの原因が、それ以外のところにあるということです。

うつ病を改善した実際の体験談

ページの先頭へ