42度入浴の正しい方法をしっかり頭に入れて実践

インスリン注射をしているのならすぐに実行

ヒートショックプロティン(HSP)

糖尿病でインスリンの瓶筆不足になると、インスリン注射が必要ですが、その治療効果が現れにくい人もいます。

しかし、そのような糖尿病の人も入浴法を少し工夫すれば、インスリンの効きを改善できます。それが、ヒートショックプロテイン(HSP)を増やす「42度C入浴」という)です。HSPは体内にあって、ストレスなどから体を守る、たんばく質です。

インスリン注射が効かなくなると、血液中のブドウ糖が筋肉や肝臓にうまく取り込めないため、血糖値が上がったままになってしまいます。

実は、HSPには、筋肉や肝臓へのブドウ糖の取り込みを妨げるNF-κB(エヌエフカッパービー)という物質の活性化を抑える作用があります。つまり、体内のHSPを増やせば、筋肉や肝臓へのブドウ糖の取り込みが促されるため、糖尿病の改善につながるのです。

私は、温泉を活用した糖尿病治療をしている先生との共同研究で、糖尿病の患者さんにHSP入浴法を行ってもらいました。その結果、HSPの増加と血糖値の低下が一致。インスリン注射が効きにくい糖尿病の患者さんに、またインスリンの働きが低下している糖尿病の患者さんの血糖値コントロールに、HSPが役立っています。

HSP入浴法は、40~42度の湯に肩までつかり(42度なら10分、41度なら15分、40度Cなら20分)、入浴後10~15分間きちんと保温し、体しんを甘心まで温める入浴法です。

ちょっと熱めの湯で体に熱を加え保湿することでHSPを効率よく増やせるのです。

高齢者や心臓に不安のある人は、無理をせず、みぞおちまでつかる半身浴を15~25分くらい行うといいでしょう。

HSPは、HSP入浴後1~3日間は多い状態にあるので、この入浴法は週に2回(例えば火曜日・土曜日)行うのが目安です。熱い湯が苦手な人は、湯温がやや低めの40度C20分の入浴から始めるといいでしょう。

HSP入浴法を3~4ヶ月ほど続けているとと、慣れ(耐性) が起こって効果が低下することがあります。その場合1~2週間この入浴法を中断後、再開しましょう。なお、心臓病の人は、医師と相談してから行ってください。

HSP入浴法は、中性脂肪を減らす効果もあるので、脂質異常症の改善にも役立ちます。ダイエット効果もあり、ゆっくりと体重が減少していくので、糖尿病で肥満ぎみの人は一石二鳥の効果が明持できます。

42度入浴のやり方
  1. 湯温を測る温度計と舌で体温を測る体温計を用意する。
  2. お風呂を42度に設定して沸かす(最初は熱い湯に慣れるために40度から始めるといい)。
  3. 湯船に1D分つかる(湯温が40度なら20分、41度なら15分)。入浴時間は入浴の合計なので、熱いときは途中で立ち上がってもかまわない。
  4. 10分後、体温を測る。体温は38.5 度が理想だが、最低でも38度を目指そう。
  5. お風呂から出たら、10~15分間きちんと保温する。

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