糖尿病はタイプ別に対策を考える
日本人はDNA的にインスリンをたくさん分泌できない
糖尿病はタイプ別に対策を考える
日本人はDNA的にインスリンをたくさん分泌できない
糖尿病は、日本人に合った克服法を実行しないと意味がない
こちらの通り、日本人の糖尿病の大半を占めるⅡ型糖尿病は、血糖値を下げるインスリンの「胱鮮不足型」と「働き不足型」の2タイプに大別できます。
日本人には、穀類を主食にしてきたという歴史から分泌不足型が多いのですが、近年の食生活の欧米化によって働き不足型の人も増えています。そこで、糖尿病や高血糖の人は、インスリンの分泌不足と働き不足を自分で解消する「自前のインスリン強化」を実行することが肝心です。
自前のインスリン強化とは、生活習慣を改めて膵臓を適度に刺激し、体内でのインスリンの分泌量や働きを改善していくこと。端的にいえば、体内で分泌されたインスリンを最大限活用し、血糖値を下げようというわけです。
糖尿病は、さまざまな合併症を引き起こします。失明や足の切断ばかりか、命を脅かす病気や寝たきりを招く危険性も高まります。
糖尿病の合併症について詳細はこちら。
かし、自前のインスリン強化を心がければ、糖尿病の人も健康な人と同じ生活を送ることができます。合併症の進行を強力に防ぎ、高いQOL(生活の質)を維持したまま長寿を実現することもできるでしょう。
とはいえ、現実には、糖尿病は初期のうちは自覚症状が現れないため、つい放置して合併症を招いてしまう人が後を絶ちません。のどの渇きや足の裏のしびれといった自覚症状が現れたときには、すでに合併症が起こっているケースがほとんどです。
見方、考え方をちょっと変えれば ガンより怖い糖尿病 とも言うこともできます。合併症についてはしっかりとした知識を持つことで危機回避ができるはずです。
糖尿病の治療を受けている人は、全体の割程度といわれています。しかも、そのうち治療をきちっと継続している人は半分ぐらいで、残りの半分は治療を途中でやめてしまうのが実状です。
特に自覚症状がないから通院をやめたり、薬の服用をやめてしまうのです。しかし、自覚症状がでた時には危険な合併症が待っているのです。
糖尿病を放置すれば、血液中に増えたブドウ糖によって、知らないうちに動脈硬化(血管の老化)が急速に進み、神経も障害されます。発症してから3~5年たって自覚症状が現れて初めて、合併症が起こっていることに気づく人が実に多いのです。
糖尿病は、食生活を改善したり、運動を心がけたりするだけでも、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が正常に戻ることが少なくありません。血糖値を正常に保つことができれば、合併症の発症も悪化も防げるでしょう。
最も大切なのは、油断をせず、「自分で治す」という意志をもちつづけりることです。
糖尿病の治療では、基本的に、糖尿病や高血糖とわかったら、まず食事療法や運動療法を行います。それでも血糖値が下がらない場合には、血糖降下剤やインスリン注射などの薬物療法を行うことになります。
糖尿病の飲み薬には、膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促す薬、食後の血糖値の急上昇を抑える薬など、さまざまなものがあります。最近、インスリンの分泌を促して血糖値を下げ、しかも低血糖を起こしにくい新薬(DPP4阻害薬)が使われるようにもなっています。
しかし薬は、長く飲みつづけていると体が慣れて効きが悪くなりがちです。中には、効きがよすぎて低血糖を招く薬もあります。低血糖は、心臓に負担をかけるため、心筋梗塞などの心臓病を招く危険性が高まります。
このように、薬だけに頼っていては、血糖値をうまくコントロールすることはできません。やはり、食事や運動を基本とした生活習慣の見直しが必要になるでしょう。
とはいえ、従来の食事療法や運動療法では、長続きしにくいのも事実です。
日本の糖尿病治療では日本糖尿病学会が推奨する、食品交換表に基づくカロリー制限や栄養バランスを考慮した食事療法が主流。欧米の糖尿病治療では、カーポカウント(低炭水化物食)という食事療法が主流です。カーポカウントは、食後の血糖値を最も早く上げる炭水化物に抽宥目し、その摂取量を制限します。
こうした従来の食事療法では、めんどうなカロリー計算や食べ物の制限があります。また運動療法では、ジョギングなどの運動を継続的に行うことが求められます。これらを毎日続けるのは難しいことですし、第一、食事を制限したり運動を義務にしたりすることはストレスをためる原因にもなり、長続きしません。
誰でも長続きできる食事運動は、できるだけ簡単で、血糖値を下げる効果が早く現れるものが理想でしょう。
食事では、ご飯の量を今までの1~2割減らすこと。そのうえで、野菜やキノコ、海藻など食物繊維の豊富な食品を多めにとります。
できれば、ご飯は、納豆やオクラなどのネバネバ食品といっしょに食事の最後に食べます。そして、よくかんで、ゆっくり食べるのです。早食いの場合、食欲にブレーキがかかる前に食べ過ぎてしまうのです。これは、胃が満腹になったあとに15分程度遅れて脳が満腹だと感知するためです。これを実行するだけでもインスリンが大幅に節約でき、血糖値の改善につながるのです。
運動も、今までより外出を少し増やすだけで効果が違ってきます。家の中で掃除や洗濯などを行い、こまめに体を動かすのもいいでしょう。