栄養学と健康にもっと目を向けるべき

薬だけで病気は治らない

自分の健康は自分で守る

多くの病気が食事の間違いから起こる「食源病」であることを初めて明らかにしたM委 の調査は、同時に幾つもの重大なことをわれわれに教えるものとなりました。「食事が悪い方向 に変化したために現代の病気が起きていることが裏づけられた」というマクガバン委員長 の言葉には重いものがありました。しかも委員長は「そのことに誰も気づかなかった」といったの です。ではなぜ気づかなかったのでしょうか? 従来の医学が栄養に盲目だったからだとM委 はそう断言しました。そしてこの結論から栄養に盲目でない医学を確立するという医 学革命や医者の再教育の必要を説くことになりました。

従来の医学は病気の予防のうえでも治療のうえでも栄養の働きに盲目な片目の医学だったことが明らかにされたわけです。しかし、従来の医学の欠陥についてはまだまだあります。ここでは現代の大問題である成人病という病気の特徴に注目しながら、いまのようなM委の指摘からわれわれが何を学ぶべきかということに絞ります。

成人病には2つの大きな特徴があります。それはカゼその他のようなウィルス性の病気と違って長い間の食事の間違いによって起こる「食源病」だということが1つ。もう1つは、少なくとも従来の医学では原則的には治せない病気であり、予防によるしか手がない病気だということです。こうなると結論はおのずから明らかです。つまり成人病は自分で防ぐのが一番いい、それしか手段はないということです。

たとえ医者が栄養に盲目でない医学で育っていたとしても、長い間1人1人の食卓につき合って病気を起こさないための食事の指導をするなんてことは現実にできない相談でもあります。1人1人が自分の健康に責任を持って自分で気をつけていく以外にないということです。M 委が教えた大切なことの1つは、健康のセルフ・ケアの重要さを教えたことだと思います。そしてそのための栄養や食事のガイド・ラインをM 委は明らかにしたのです。

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