結石の原因につながる食習慣はリスクになる

数年前、イギリスの泌尿器学会誌に腎臓結石と食事の関係を調べた研究について掲載されました。51名の腎臓結石患者と、同じ体重、年齢、体格の、結石をもたない51名の人の食事を比較したのです。その結果、つぎの3つの大きな違いが確かめられました。

  1. 結石のある人は、ない人より食物繊維のとり方が少ない
  2. 結石のある人は、野菜や穀類や果物などからカロリーをとる比率が少ない。
  3. 結石のある人は、肉からカロリーをとる比率が高く、動物性脂肪を多くとっている。

肉(動物性食品)には食物繊維はふくまれていないので、肉食の比率が高まると食物繊維はあまりとれないことになります。だから、1と3は関連しています。

摂取カロリーに占める動物性食品の比率が高くなれば当然、植物性食品の比率は下がるので、2と3も関連しています。

つまり、かんたんにいうと肉食の比率が高くなりすぎると腎臓結石のリスクが高まるのです。

では、どのくらいの比率ならいいのかというと、動物性蛋白と植物性蛋白が50:50の範囲です。その線を超えると脂肪の摂取量がぐんと増えるので、植物性蛋白が動物性蛋白よりも少し上回っていることが望ましいのですが、豆類を穀類の3分の1くらいとる食事にすれば、自然にそういう比率になります。

新しい食事の体系が必要

ライフ・スタイルも変わり、とりまく食品も変わってきているのだから新しい食事の体系がつくり出されなくてはならないのですが、それには栄養学と料理の豊富な知識も必要です。

好き勝手な料理をつくっていれば、腎臓結石などはまだよいほうで、もっと致命的なさまざまな病気を生み出す食事のパターンになっていくでしょう。というのは肉加工品は、家庭の主婦の料理に割く時間を大幅に短縮してくれます、なにしろ便利な食品で調理時間を短縮してくれます。

腎臓結石を栄養面からみると、それを予防するためには2つの栄養素を不足させてはならないことが確認できています。1つはマグネシウムで、1つはビタミンB6です。

マグネシウムを最も豊富にふくんでいるのは海藻、精製していない穀類、ナッツ類、豆類、緑色野菜などです。

一方、ビタミンB6源となるのはバナナ、レバー、じゃがいも、さつまいも、ターキー、鶏の胸肉、鮭、まぐろ、さばなどの魚類、精製していない穀類、豆類などです。これからも穀類と豆類を食事の基盤におくことが、いかに大事かがわかります。

ビタミンB6、マグネシウム 関連

食材のパワー

知って得する知識

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