便秘を防ぐ食物繊維はジャムにもたっぷり含まれる

便秘の人が急増しています。毎日便が出ている人も安心できなくて、ほんのわずかの量では、便秘と同じです。
最近の日本人の腸の傾向とさまざまな症状には、現代人の腸ストレスについて書かれていますが、過去の日本人の平均は1日の便が800グラム程度もあったといいます。それが現在では100グラム以下に減っているというのです。
便秘になると、気分がすぐれないだけでなく、発ガン物質も体外に排出されないので、ガンのリスクも増加してしまいます。また、血圧の上昇の原因にもなります。老廃物が体外に排出されない弊害はとても大きいのです。これは、アミン類のようなタンパク質分解物が、血圧を上げるような物質を吸収するからです。便の量が多くて毎日スムーズに排泄されていれば、これらの不要な物質が腸内でできても、吸収されるまでに外へ出されてしまいます。それが阻害されるところに、便秘がよくないといわれる理由です。
では、便秘を防ぐにはどのような手段があるのでしょうか?実は、かつての日本人の便の量が非常に多かったのは、食物繊維の摂取量が多かったことによります。栄養所要量では、食物繊維の1日の摂取目標量として25グラムを提案しています。現在ではそれが16グラムしかとられていないのです。
昭和30年頃までは、30グラム以上も食物繊維がとられていたと推定されています。
食事の欧米化により食物繊維の量を減らし、それに伴って便秘が増加したということです。そこでとにかく、健康のためには、食物繊維の摂取量を増やすことが大切です。食物繊維というと、繊維の文字から、ゴボウのような固いものを連想しがちですが、水に溶ける柔らかいものもあります。たとえば、リンゴや柿やニンジンなどに多く含まれる水溶性の物質であるペクチンも食物繊維であるし、海藻のヌルヌルした成分であるアルギン酸や、寒天質なども仲間です。
とくに、ペクチンやアルギン酸など、水分を含んで膨れた状態の食物繊維が腸内にあると、そこに乳酸菌が繁殖します。乳酸菌は、ビタミン類を生産するだけでなく、その菌体が便の材料となり、便の量を増加させます。母乳やミルクしか飲んでいないのに乳児の便がかなり形があるのは、乳酸菌の菌体のおかげです。
さて、日常の食事ですが、便秘を防止するためには、食物繊維を多量に摂取するしか方法がありません。食物繊維の多い食品としては、穀物、豆、イモ、海藻といったものが代表的です。いずれも、最近あまり多く食べなくなったものばかりです。穀物では、麦ご飯や玄米ご飯がよいし、最近では8穀米などの穀物が混ざったものもあります。パンではフスマの入ったグラハムパンと呼ばれるものや、ライ麦の入ったパンなどいいでしょう。
豆では手軽にとりやすいのは煮豆や納豆ですが、グリンピースも便利です。冷凍のものがあるので保存がききます。イモでは、ジャガイモやサツマイモがよいし、サトイモも食物繊維の量は多いです。
ただし、油で揚げたフライドポテトやポテトチップスは、脂肪が多く、腸内の乳酸菌の繁殖を妨げるので、便秘防止にはなりにくい。
ワカメなどの海藻は、和え物やみそ汁の具として手軽にとれる。最近は新技術によって、すぐに戻せる乾燥のものもつくられているので便利です。
食物繊維が多いわかめに食物繊維の多さが紹介されています。また、海藻は食物繊維だけでなく栄養も豊富ですので、毎日の食事に取り入れたいところです。本ブログでも海苔を紹介させていただきました。
海藻類というと、和食には欠かせないコンプもよいのですが、コプ巻きなどは煮るのに時間がかかってしまいます。そこで、トロロコンプがおすすめです。トロロコンブならご飯にまぶして食べたり、汁物に入れたりと便利で手間がかかりません。
ところで、野菜があまり好まれなくなったためか、パーティー料理などでは、野菜料理が少なくなっています。しかも、サラダなどは、レタスといった、かさはあるのですが、栄養としての実質の少ないものが主流です。これでは、野菜を食べたことにははなりません。野菜をしっかり食べるためには、生でなく煮たり茄でたり妙めたりしたものの方がたくさん食べられます。
野菜を煮ると、嵩が大きく減るから、たくさん食べることができます。
また、最近の研究では野菜を各種煮合わせることで、野菜それぞれの細胞の中にある成分が出てきて、それらの成分がお互いに化学的に反応しあって健康に有用な新しい物質ができているのではないかともいわれています。漢方薬を煎じるとき、数種類もの材料を合わせるのも、これと同じで、お互いの成分の化学反応を利用していると考えられています。その点では、洋風おでんともいえるポトフなどは、何種頼もの野菜をじっくり煮込んでつくるので、野菜を多量に食べるのにもってこいの料理です。
果物で食物繊維の補給によいのは、リンゴである。これにはペクチンが多く含まれているからです。ペクチンは、砂糖とともに煮ると材料をゼリー状に囲める、ジャムが.できる成分です。
このペクチンは食物繊維として、たくさん摂取するといいでしょう。
。柿もペクチンが多く、中でも干し柿は、1回に食べる量で多量の食物繊維が補える数少ない食べ物です。
最近はあまり食べなくなったようですが、もっと食べる用にすれば食物繊維の摂取におおいに役立つはずです。
ただし、柿にはタンニンという渋味の成分があり、これは、多量に食べると便秘の原因になるから、食物繊維が多いからといって食べすぎないことが大切です。また、干し柿は糖分も多いので、食べ過ぎると肥満の原因になってしまいます。
さて、それではどれくらいの量の便が出ればよいかということですが、近年の研究では、理想的には1日に500グラム程度の便の排泄が理想ということです。卵の小さいのが1個で50グラムで、500グラムはその10倍です。ところで、便秘防止に注意してほしいことは、腸内の乳酸菌などの有用な微生物の繁殖が便秘防止の条件であるから、その発育を阻害する脂肪分の取りすぎはNGとなります。基本的に食べ過ぎもNGです。

食材のパワー

知って得する知識

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