カボチャやサツマイモが嫌いな人は老けやすい

最近、注目されているビタミンに、ビタミンEがあります。それは、体の中の脂肪の酸化を防止し、過剰な活性酸素の働きによる細胞のガン化や老化を防ぐ働きが強いという特徴からです。
成人病の原因として、脂肪分のとりすぎがあげられる。以前は糖尿病は、デンプンや糖分など糖質の過剰摂取が問題だとされてきたが、それは正しいとはいい切れず、脂肪分の過剰摂取が原因だと言われています。
たとえば、軽い糖尿病の患者に白いご飯を食べさせた場合と、それを妙飯にして食べさせた場合を比較すると、明らかに脂肪分が糖尿病に悪影響をもたらしていることが明らかです。すなわち、白いご飯を食べた場合は、食後、血糖値は比較的早く下がるのに、妙飯では、なかなか血糖値が下がらないということです。ところで、体の脂肪分には、食べ物から摂取されたものと、体の中でできたものがありますが、いずれも体内で脂肪分が酸化すると、健康上非常に悪い影響があります。脂肪が酸化すると、最大死因であるガン、心臓痛などの原因となる可能性が高いのです。そこで脂肪分の酸化を防止し、脂肪の代謝に良い影響を与えるのがビタミンEというわけです。′
また、それだけでなく、ビタミンEは、血液による酸素の輸送や利用をよくするという働きもあります。ビタミンEがビタミン剤として売り出された当時の薬効としてあげられていたのは「しもやけ」に対する予防効果でした。しもやけは、寒さによる手足の血行不良による酸素の供給不足から起こるもので、ビタミンEをとって血行がよくなると、これが防止できるのです。このようなことから、ビタミンEは血行不良からくる頭痛解消に、また、狭心症のように心臓への血行が低下して起こる疾患の予防のためなどに利用されてきました。いずれも酸素の利用効果を上げて効果をもたらしたものです。
また、大学のマラソン選手にビタミンEを与えて高山を走らせると成績が落ちないという報告もあります。これは、酸素の少ない高山で、ビタミンEによって体内の酸素の利用を高めることができたからです。さらにその後、ビタミンEの強力な酸化防止の働きが、体内で有用であることが判明し、ガン、老化、アレルギーなどに対しても有効であることが強調されるようになったのです。
ところで、ビタミンEにはアルファ型、ベータ型、ガンマ型、デルタ型などがあり、その中で、人体に有用な働きをするのはアルファ型であることが分かってきました。栄養所要量にはビタミンEの摂取目標量が決められているが、E効力の数字は主としてアルファ型のEから計算されています。では、何を食べたらアルファ型のビタミンEが多く摂取できるのでしょうか。興味深いことに、日本で昔から食べられてきた食品にアルファ型ビタミンEが多いのです。身近なものとしてて、サツマイモ、カボチャがあげられます。
それに、背の青い魚、すなわち、イワシ、サンマ、アジ、サバなどです。
以前の日本の食卓には、サツマイモやカボチャの煮物がよく出され、タンパク質源としては、イワシを焼いたり煮たりしたものが並ぶことが多かったのです。残念ながら、現在、食卓によく並ぶハンバーグやカレーライスをはじめ、野菜サラダ、白身魚のフライ、肉ジャガなどには、ビタミンE のアルファ型は大変わずかしか含まれません。ビタミンE摂取目標量の1人当たり1日8ミリグラムにはとてもおぼつきません。健康で長生きしたかったら、ビタミンE の多い和食がおすすめです。

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