ニンニクの元気の源は「匂い」にある

ニンニクは昔から精がつくスタミナ食材として長い歴史があります。ニンニクは特有の強い匂いをもっていますが、実はこの匂いの成分がニンニクの有用な成分なのです。これは、ネギ類に共通して含まれているものでもああるのですが、ニンニクはとくにその匂いが強く、作用も大きいのです。
この物質は、アリインと呼ばれるもので、刻む、叩く、おろすなどして細胞を破壊すると、ニンニクに含まれる酵素によってアリシンに変化します。アリシンは他の食材とともに食べることによって、その中に含まれるビタミンB1と結合し、強力な吸収力と体内保持性を得るようになるのです。このビタミンB1と結合した成分はアリルチアミンと呼ばれ、神経痛など体の痛みを鎮静する作用があるので、薬としても販売されているほどえす。
また、アリルチアミンは鎮痛に役立つ以外にも、体の代謝を活発にし、その結果、寒いとき、体を暖めるとか、疲れを回復させるなどといった働きのあることも確認されています。
ビタミンB1は、多量に汗をかいた場合とか、重労働をした場合に多くの量が消費される。そのときにテンニクの匂い成分とビタミンB1の結合したアリルチアミンは吸収が非常によいので、疲れを回復させるなどの効用が大きいのです。アリルチアミンは通常のビタミンB1にくらぺて、約5倍も吸収されるし、また体内での保持が非常に長続きします。したがって、消費されたビタミンB1が補給できる上に、その働きを十分高めるといった効用を発揮するのです。
このようにニンニクは栄養的に大変優れた食品なのですが、匂いがいやだという人がかなり多いのもひとつ残念な点です。この強い匂い成分は硫黄を含んだ特殊な化合物です。しかし、ニンニクは皮のまま茹でるなどして加熱すると、酵素が働かないので、特有の強い匂いはなくなります。しかも、加熱することで甘味も生じるので、茹でたニンニクを裏ごしして料理に使用すると、ニンニク臭さをほとんど感じさせずに料理に風味を加えることができます。匂いの出ていないニンニクも、体内に吸収されるとアリシンに変化するから、匂いがないから効果がないのかと心配する必要はありません。また、ニンニクのような匂い成分の強い食品は、塩味をやわらげる働きもあります。サラダボウルにニンニク片をこすりつけるとか、少量のおろしニンニクをドレッシングに加えるなどよって、尖った塩味にまるみをもたせることができます。
ニンニクは体力をつけるだけでなく、料理をさらにおいしく食べるために、もっといろいろと工夫できるはずです。

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