カルシウムとマグネシウムのバランス

神経細胞のなかでは、カルシウムは「刺激者」として働き、マグネシウムは「弛緩者」として働きます。だから両者のバランスがとれていないと、神経の正常な機能が果たせなくなってしまうのです。

たとえば心臓の場合は、カルシウムで緊縮し、マグネシウムで弛緩します。この弛緩があってはじめて次の緊縮ができ、ポンプの働きがなされるのです。

アメリカは、1日当たりの摂取勧告値(RDA)は、成人男子の場合カルシウムが800ミリグラムでマグネシウムは350ミリグラム。成人女子はカルシウムが800ミリグラムでマグネシウムは300ミリグラムです。カルシウムの半分弱のマグネシウムをとることが望ましいとされています。それが理想的なバランスとうことです。

だから、サプリメントなどでカルシウムだけが多量にとられるとバランスがこわれてしまいます。そしてマグネシウムの欠乏を招くということです。このミネラル間には一方の過剰が一方の不足をもたらすという干渉関係があるからです。カルシウムのサプリメントはマグネシウムが理想比で一緒に入っているものが望ましいということです。

食事も高カルシウム食は同時に高マグネシウム食でなくてはなりませんが、カルシウムを多くふくんでいる乳製品はマグネシウムをそれほどふくんでいません。また、マグネシウムを豊富にふくんだ穀類やナッツ類はあまりすぐれたカルシウム源にはなりません。つまり、この2つのミネラルをそれぞれ十分にとるためにはかなりバラエティのある食事の組み立てが必要となります。。バランスのとれた食事ということばがよく使われるけれども、最も重要なバランスの1つは、カルシウムとマグネシウムのバランスなのです。

この2つを十分にとるには、精製していない穀類、豆類、緑色野菜、海藻類、魚類、ちりめんじゃこやいわしの丸干し、あるいは乳製品などで食事が組み立てられているべきですがうまいことにその食事はこの2つの栄養素だけでなく他の多くの栄養素も供給してくれます。カルシウムとマグネシウムが十分にとれたときには他の栄養素もかなりのものが十分にとれるようになるのです。

たとえ十分に食事でとっていても、嘔吐や下痢、腎臓障害などを起こすと大幅にマグネシウムが失われてしまいます。利尿剤もマグネシウムとカリウムを奪ってしまいます。そのときは、別途補給が必須になります。

激しい運動もマグネシウムがかなり失われます。イスラエルでの研究では、ずば抜けて健康状態のよい男性を120キロメートル行軍させたところ、3日間のうちに急激な血中マグネシウム値の低下が確認されました。そして3ヶ月回復しなかったと報告されています。

カルシウムもマグネシウムも同時に蛋白質をとらないとよく吸収されません。前述のような食事ならば一緒に蛋白質が摂取されるので吸収もスムーズに行われます。

それでもカルシウムの吸収は、体にとってかなりのエネルギーを奪われる作業です。だから吸収の効率はひとりひとり違うし年齢によっても異なってくるのは当然です。ただ一般的にいうと、若いときほど効率がよく、年をとるにつれて効率が悪くなってきます。だから年をとるほどカルシウムを多くとるようにしていかなくてはなりません。

ヵルシウムがたっぶりとられた場合には、体はなにしろエネルギーを使う作業なので吸収の手を休めてしまいます。必死になってとりこむ必要はないと判断するためです。だから吸収率が落ちてしまいます。しかし、だからといって吸収される絶対量が減ることはない。多くとれば吸収される量も必ず多くなります。

ビタミンDはカルシウムの吸収率をよくすると同時に、カルシウムが尿で失われるのを防ぎます。腎臓による再吸収を助けるからです。

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また、ビタミンCはカルシウムの吸収量を顕著に高めます。さけビタミンDを多くふくんでいるのは、いわしや鮭、まぐろなどの魚類と乳製品です。ビタミンCは新鮮な野菜と果物に豊富です。年をとるほどそういう食品が重要になってくるわけで、食事に一層のバラエティが要求されるということになります。

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